虹のむこうは
悪夢
「まま~ごはんっっ」

「ぱぱが帰って来るまで待ってね」

「あうっ」

「梨緒ちゃんならできるよね?」

「うんっ♪」

「いい子だねぇ~梨緒ちゃんは」

「うん」

外は雨がやみ、晴れている。

「ままっ!にじぃ!」

「あらぁきれいだわね」



ーーピンポーン


「ぱぱ」

「帰ってきたね♪」

ガチャ


ドアのむこうには知らない男が・・・
包丁を持っている。


「悠さん???」

ハァハァ・・・

誰・・・?


「騙したな・・・」







グサッ・・・





私の目の前は、赤く染まっていった・・・
男は逃げた・・・



「まま?」


「ア、ハァハァ・・・りお・・・?」

「まま?」

「虹見える?ウァッ・・・」

「うん」

「に・・じ見て・・・ままを思い出して・・・?ヒゥア・・・ままは虹のむこうにいるからね。ずっと見てるから。」

「まま??」

「・・・」





トサッ・・・




「まま?」

その時ままが死んだってわからなかったんだ・・・


ただただ、ままを見下ろすことしかできなかったんだ。






3歳の夏。ままの「死」を見たんだ・・・


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