彼は人魚姫!
「ね、あたし、ちょっと出たいんだけど。店番、頼んでもいい?ここね、普段、午前中はあんまり人が来ないの。大体、お昼を過ぎてから…ランチのあとにお茶しに来たり、学校帰りの学生さんとかが多いから。えっと…しぃ、しぃでも今の時間なら大丈夫だと思うの。たぶん、誰も来ない。だからお店の掃除してて。窓はピカピカにしといてね。テーブルも拭いて…。あっ!絶対に外に出ちゃダメだからね。いい?」


こんなステテコ姿でウロウロされたら大変だって。
しかも、なんか変なフェロモン出し始めたし。


「了解。でも、ママがこんなに独占欲が強いとは思わなかったな。なんか嬉しい」


「ち、ちがぁう!違う!その格好!恥ずかしいからだって!」


フッと笑ってチラッとあたしを見る。
何!?
その、上からな笑い…。


「冗談だよ。ママってすぐ本気にするんだから。でも僕、男に慣れた女より、ウブな方が好きだよ。まっさらって感じで。…僕、ドキドキしてる顔を見るのが好きかも」


『好きかも』じゃなくて『好き』なんだよ!
この変態ヤロウ!


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