悪魔は人に依存する
「……」
思った。
「…………」
なんで、“叫ばないんだ”?
カーテンの隙間から見えた部屋。
狭いベッドは逆に密着するからお得だと、二人で笑い合うこともあったのだけど。
「ああ……」
“本当に、狭い”。
身を寄せ合うシキミと誰か。
男であるのは裸である時点で識別できるし、アガトがシキミを見間違えるはずもない。
くうくうと寝息でも立てようほどに、穏やかな寝顔。あれを愛でるのが好きだったのに、今はどうしてこんなにも――
「つぅ……」
憎いんだ。
「……!」
瞬間、アガトはその場から飛び退いた。
あの現実を見たくないと思ったわけではない。
ただ、シキミが傷つくと思った。