vampire*love2
「勘違いしてるのよ、キキョウ。」
凛とした声が響く。
さっきまで頭をもたれて眠っていた彼女はしっかりと新島の目を捕らえていた。
「サクラ様…?桜姫と一つになったはずでは?」
「一つになったというのは間違いない。ただ、始祖ヴァンパイアは器用でね、二つの意識を同時に体内にいれることができる。
普段は私が眠っているが桜姫に先程眠ってもらったのだよ。」
長い脚を綺麗に組みながら赤い瞳で彼女は言った。
「真実を教えてあげたいところだが、これは私からではなく和樹から聞いた方があなたも納得するであろう。
信じなさい、恋人を。」