紅蓮の鬼
「…で。何してんの、南?」
〝姐さん〟が口調を変えて言う。
「道に迷った…つーか、松谷だよな?」
確かめるように俺は言う。
「正真正銘の松谷淋ですけど~?」
教室で話す、いつものように話すから少し安心した。
「てか、お前こそ何やってんだよ」
さっきからずっと気になってることを聞いた。
「何が?」
どうやら松谷に質問は伝わってないようだ。
「さっきの男らが〝姐さん〟〝姐さん〟って。アレ何?」
俺がそう言うと松谷は「あぁ!!!」とピーンと閃いたときみたいに手をポンと打った。
「何って……この里のエライ人!!!」
ジャーン!!!と、とびきりのドヤ顔を見せる松谷。
「お前が?エライ人?」
確かめるように俺は言う。
「いや、無理だろ」
「なんで!!?」
「お前が…長、ねぇ…」
「……言ってみろ」
松谷は急に命令口調になった。
まるで〝姐さん〟スイッチが入ったかのように。
「破綻するだろー」
「しないから。割と長い間この里を治めてきましたけどー」
…あれ、スイッチ切れた?