紅蓮の鬼


「…で。何してんの、南?」


〝姐さん〟が口調を変えて言う。


「道に迷った…つーか、松谷だよな?」


確かめるように俺は言う。


「正真正銘の松谷淋ですけど~?」


教室で話す、いつものように話すから少し安心した。


「てか、お前こそ何やってんだよ」


さっきからずっと気になってることを聞いた。


「何が?」


どうやら松谷に質問は伝わってないようだ。


「さっきの男らが〝姐さん〟〝姐さん〟って。アレ何?」


俺がそう言うと松谷は「あぁ!!!」とピーンと閃いたときみたいに手をポンと打った。


「何って……この里のエライ人!!!」


ジャーン!!!と、とびきりのドヤ顔を見せる松谷。


「お前が?エライ人?」


確かめるように俺は言う。


「いや、無理だろ」


「なんで!!?」


「お前が…長、ねぇ…」


「……言ってみろ」


松谷は急に命令口調になった。


まるで〝姐さん〟スイッチが入ったかのように。


「破綻するだろー」


「しないから。割と長い間この里を治めてきましたけどー」


…あれ、スイッチ切れた?



< 19 / 656 >

この作品をシェア

pagetop