紅蓮の鬼


「…なんの…ことだ……」


一応シラをきってみる。


――つーか、さっきから〝姐さん〟スイッチ入ったままだな


「南がニンゲンじゃないことくらい分かってる」


――あ、また切れた


「……松谷、」


「ん?」


「言い方、どっちかにまとめろ。混ざってて変」


思ってた事を言うと松谷は「それもそうか…」とつぶやいた。


「…いいから飲め。じゃないと話にならん」


「……………」


――結局、〝姐さん〟スイッチのままいくのか


つーか、飲めって言われてもなぁ…。


「松谷…俺が今どういう状況にあるかわかって言ってんのか」


「知らないと言ったら?」


松谷はニヤリと笑って言う。


「襲うぞ」


――こんな状況でニヤリって笑ってんじゃねーよ


ある意味すごいわ。


「南が制御すればいい話だろ。あ、固まってきた」


「…どーなっても知らねーからな」



< 22 / 656 >

この作品をシェア

pagetop