紅蓮の鬼






――今、なんて?


長を、剥奪!!?


俺は思わず手をついて立ち上がった。


椅子の音が、やけに五月蝿く感じた。


淋は焦る俺を見て、「問題ない」というように口元を弧のように浮かべる。


「長の座くらいくれてやる」


彼女は「フッ」と笑って言った。


そして淋はこの部屋から出ていった。


俺らはその淋を追いかける。





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