紅蓮の鬼





さっき、吹き飛ばされて態勢を立て直した時に地面を触ったけど、土の感触じゃなかったし。


試しに、地面に手をついたけど土壁も出てこなかった。


「やっぱ知らねーんだろ、『闘う』って意味をサ」


「うっせーな、傍観してるクセによ!!!」


イライラが溜まった俺は彼に八つ当たりする。


「何で俺が〝あれ〟の相手なんかしなきゃなんねーんだよ!!?しかも俺は反撃しねーんじゃねぇ、出来ねーんだよ!!!」


俺は彼に向かって言うが、彼は〝あれ〟と何か話をしていた。


………気のせいか、なんか辺りが明るくなってね?


「……〝あれ〟が鬼ごっこは飽きたってサ」


「無視か!!!俺のこと無視か!!!」


「無視サ」


「マジか!!?」







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