紅蓮の鬼
俺が淋の涙を拭おうと手を伸ばした時、淋がうっすら目を開けた。
「!」
何か悪いことしているのがバレた時のように、心臓が跳ねる。
寝ぼけているのだろうか。
淋は俺の手首に自分の手を重ねて、柔らかく、微笑む。
「……っ………」
やべぇ俺、夢見てんのかもしんねぇ。
彼女が微笑んだ顔は、きれいだった。
そして彼女は言った。
「……イグサさん…」
切ない声で。
まるで自分の恋人を呼ぶように。
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