紅蓮の鬼



「鴉だけ、こっちにもあっちにも住んでんだ」


そう言いながら一羽の鴉をなでる。


「こっちにも端末はあるけど、人間はこっちのこと知らないからネットワーク繋がんねぇんだ」


一羽の鴉が、座っている楓太の近くにある木に留まる。


足に何かつけていた。


「だから、人間が鳩を使うみたいに、俺らは鴉使ってんの」


「…知らなかった……」


「ごめんごめん、言ってなかったぽい」


頭の上に乗っている鴉が鳴いた。


「まぁ、俺らは話せるから書かなくていい」


楓太は「あっちより便利だろ?」と言って立ち上がり、木に留まっている鴉の元へと足を運んだ。






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