紅蓮の鬼


――結局、俺は何一つ変われてない


ベットで仰向けになって、天井をぼんやりと見る。


淋が倒れた時、チャンスだと思って抱こうとした。


だけどイグサのこととか、淋が涙を流していたこととか、その他もろもろ思い出すと、できるワケが無かった。


押し倒したものの、そんなことできる訳が無かった。


抱けばこっちのモンだけど、俺は止めた。


「……はぁ…」


ため息をついて、瞼を閉じる。


――淋と居たら、何か変われると思ったんだけどな





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