紅蓮の鬼
「え……じゃ、まさか族の王?」
「それは族長でしょ」
母がコーヒーを飲んで言った。
「……………………」
――え、俺が知るのはあと一つしかないんだけど
「魔王…?」
恐る恐る口に出す。
「ピンポーン♪」
「何で!!?」
速攻で俺は言った。
「何で!!?なんで俺が次期魔王の候補なんだ!!?しかも魔王ってアレだろ!!?アレ!!!この世界の絶対的存在だろ!!?なんで俺が候補になってんの!!?意味分かんねぇ!!!俺がなったら滅ぶぞ!!?」
「知ってるわよ、そんなことくらい」
「知ってんの!!?」
思ってたことを吐き出した俺に、母のまさかの発言。
候補の件も驚くけどこっちの方がもっと驚く。
「じゃぁ何でこんな兄貴を薦めたんだ!!?」
弟の尤もな質問である。
「ほら、ミナミ家って代々、次期魔王の候補に選ばれるじゃない、家臣だから」
「何その話?初めて聞いた」
「俺も」
「……………………………」
兄弟揃って家のことに無知とは、とんだ恥さらしだ。