紅蓮の鬼


カチャリと音がして、聞こえた方を見ると、人間が銃をワタシ達に突き付けていた。


今にもその引き金を引こうとしている。


その、刹那――


「―――――!!!」


誰かが何かを叫び、ワタシ達を囲んでいた人間が凍り漬けになった。


「セェェイィッッ」


野太い男の声と力強く叩く音と共に、凍り漬けになった人間たちが次々と粉々になっていく。


何が起こったのか、分からない。


ふと人間を見ると、そんな顔をしていた。


「よっし、これで最後!!!」


水陰の声がした。


彼は作業を止めてはいない。


そして、連携で人間を粉々にした彼らから匂う、この匂いは初めて嗅ぐ匂いでもない。


「…あ、あぁ……」


人間は背の高い男に捕まれて、震えていた。


口からカチカチと歯と歯がぶつかる音がする。


「…これ以上俺を失望させんなよ」


悲しそうな声音だった。


そしてその声の持ち主は、人間の首を切った。


血が高く、吹き上げた。





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