同居人はNo.1ホストー3ー完
小さい頃、大好きで仕方がなかった人がいた。
その人は、いつも俺に優しい笑顔を向けてくれた。
そして、俺の弾くピアノをジッと聴いてくれた。
(また、上手になったわね尚希。)
「本当!?
じゃあ、今度はもっと難しいのを聴かせてあげるよ!!」
(楽しみにしてるわ……尚希。)
そう言って優しく微笑みながら俺の頭を優しくゆっくりと撫でる温かい手。
「楽しみにしててね、お母様っ!!」
そう……たとえ、どんな辛いことや苦しいことがあっても……
おふくろが、笑ってくれたから俺は耐えられて来た。
泣きたくなった時……落ち込んでいる時……いつも優しく包んでくれた温もり。
おふくろの温かい温もりが好きで……優しく微笑む顔が大好きだった。
司会者の言葉で、現実に引き戻された俺。
昔のことを思い出している内に長かった列はなくなっていた。
プレゼントの受け取りが、終わって席を立つとー………
親父が、近付いて来た。
(尚希、尚実が会いたがっていたぞ。)
何を考えているのか、全く分からない表情をしている親父。
「……あぁ……」
俺は、親父の顔を見ずに冷たく答えた。
(最近、あまり様態が良くない状況らしい。)
「分かった……」
小野原尚実は……
俺のおふくろ。