Dear p erson


それからどうやって勇気の家を出たのか
どこの道を通ったのかもわからない。


ただひたすら走って走って

辿りついたのが公園だった。


相変わらず雨は降っていた。

でも今の私の気持ちに丁度いいのかもしれない。
雨に打たれながら私は近くのベンチに座った。


なんでだろう?

さっきまで涙をこらえていたのに…


今は涙が出る気配もしない。



それからぼーっと私は雨がやむのをまった。



すると近くから足音がきこえて

私は雨でぬれた顔をぬぐって足音がきこえた方を向いた。

するとさっきまで聞こえていた足音は
前まできていて私の前で立ち止まっていた。





顔を上げるとそこには
今にも消えてしまいそうな男の人がいた。

目に涙をためてその人は

いった。







「め……い…っ…」



その言葉をいった瞬間私は
その人の腕の中にいて、


なぜか


なぜか泣いてしまったんだ


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