犬猿仲☆恋仲〜素直になるなくて〜
あたしは思い出に浸りながら教室を見渡す。
放課後になったばかりなのに教室にはもう誰もいない。
自分の席につき、肘をついて窓を見つめる。

空って綺麗。
何でも溶かしていきそうな色であたしたちを見下ろしている。

「…なぁにみてんの??」
男の子の声なのに、どこか艶のある声が隣から聞こえる。

「あ、潤……。まだいたんだ」

「うん、勉強しようかなぁ…って教室を見たら琥々奈が居たからさ!声かけちゃった!」

そういって、あたしの方に椅子を向けて座った。
澤木潤、あたしね隣の席の男の子。マオの親友。
ちなみにあたしの親友でもあるんだ!!
マオとあたしと潤は同じクラス。


あたしがマオのこと好きって知ってるのは潤だけ。
そのくらい潤とは仲がいい。


「ねぇー…あたしって素直じゃないね?」

「うん」

う…ぅぅ直球だぁ〜…(泣)

「キッパリ言うね…遠慮は無しかあ…」
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