危険な瞳に恋してる
「大人になると、どうしても。
 利益の追求ばかりしてしまって……。
 父さんも、最近は、人助けらしい人助けをやった事はないな……
 そうか。
 春陽は、人助けか……」

 春陽には、良い大人になって欲しいから。

 そう、父さんはつぶやいた。

「春陽のやる事が、人助けになるのなら。
 特別に、バイトを許してやってもいい」

「本当!?」

「ああ。
 ただし……勉強の邪魔にならないように。
 学習塾には、今まで通り通って、空いた日にやる事。
 それと……」

 父さんは、心配そうに言った。

「春陽のバイト先は、どこにある、なんて言う場所なんだ」

 えええっ……と。


「街の……ダーク・クラウンっていう……」

「………なんだ。
 どこかで聞いた事のある名前だな?
 ……有名な、喫茶店だったかな?」






 さすがに。






 とても。






 それは、ホストクラブです。







 ……なんて、言えない。

 
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