危険な瞳に恋してる
 思わず叫んだ、わたしの声に。

 父さんは、軽く目を見開いた。

「……金を稼ぐ以外に、バイトをする意味なんて、あるのか?」

「あるわよ!」

 少なくとも、わたしには………。

「じゃあ、何の為に、バイトをするんだ?」

 父さんは、訳が分からないと言うように、頭をふって聞いた。

 いつものように、頭ごなしの口調ではない。

 わたしは、それにはげまされて、勇気を出した。

「ヒト助け……かな?」

 前に進んで行こうとするヒトの、後押し役だ。

 わたしの好きなヒトが、あんな。

 疲れきって、倒れるように眠らなくてもいいように。

 もし、わたしにできるコトがあるのならやってみたいんだ。

「ふうん。
 ……ヒト助け……か」

 とても、父さんに全部説明なんてできなかったけれども。

 父さんは、腕組みをしながら、考え、考え言った。

 
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