危険な瞳に恋してる
「……柴田」

「彼が、生徒だったら……せめて、先輩たちだったら。
 今、きっと四人でお昼を食べていたよね……?」

 ……そうだね。

 柴田と二人。

 彼の分もお弁当作って、わいわいと盛り上がっていたに違いない。

 紫音は、きっと。

 昨日ちらっと見せた少年のような表情(かお)をして、静かに笑っていたかもしれない。

 だけど。

 ここが、裏庭で、人目はほとんど無いとしても。

 やっぱり、学校では先生と二人だけで。

 あるいは、四人だけでご飯を食べるのは、危険すぎた。

 わたし達はまだ未成年者だから。

 紫音と宮下先生は『教師』だから。

 今。

 関係がばれてしまうと、大変な事になってしまう。

 こんなに、誰も居なさそうな所だって、油断は出来なかった。






 だから、紫音は。




 ダーク・クラウンに来て? って誘ってくれたんだし。

  
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