危険な瞳に恋してる
 ……うん。

 一応、知っている。

 わたしは、まだ。

 倒れる前からつけたままになっている、紫音の雫の首飾りに触れて。

 口からでまかせが、成功するように、祈った。


「……婚約する……イベント……ですよね……?」

 自分で言って、ぼんっと赤くなる。


 ……ごめん、紫音……!

 勝手に、変なコトを言いだして……



 でも、わたし。



 これしか、思いつかなくて……!

 わたしのコトが気に入らないのなら。

 ホントはイヤだけど、すぐ、婚約解除していいから……!




 心の中で紫音に謝りながら。

 でも、成瀬刑事さんには。

 強気に、しっかりと宣言しなおした。


「わたし……!
 実は、村崎先生と、婚約したんです………!」








 
< 267 / 313 >

この作品をシェア

pagetop