危険な瞳に恋してる
「……それに、ね?
 百万円、なんて。
 普通は、すぐに貰えたり、預かったり出来る金額じゃないよね……?
 守屋さんは、そのお金を、何の代金だと思っているの……?」

「そ……それ……は……」

 ………困った。

 わたしは、紫音に、百万円で売れるモノがあったかな?

 一番高値で売れるはずのわたしのカラダだって。

 百万円も出そう、なんて、考えるのは、紫音だけだ、と思う。

「……答えられるかな?」

 重ねて、聞かれた刑事さんに、わたしは、半分、破れかぶれで言った。

「それ、実は、ユイノーのお金なんです!」

「……は?
 ユイノーって、結納のこと?」

「そうです!
 本当は、両方の親が集まってやるイベント、なんだけど……
 どうせ反対されるから。
 二人だけで、こっそりやろうって、貰ったお金だったんです!」

 柴田から聞きかじっただけの、わたしの言葉が。

 どれだけ合っているのかは、判らない。

 成瀬刑事さんは、半分、呆れたように、聞いた。

「ユイノーに、イベントねぇ……
 守屋さんは、結納って、何をする儀式だか、ちゃんと知っているの……?」

 
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