アンサツシャ


 それからどれくらい時間が経ったのだろうか。

 気が付くと、白い屋根がレインの視界に入った。



レイン「…………」



 横を見ると、壁も真っ白で棚の上には花が飾ってあった。



レイン「……病院……か?」


 レインは起き上がってベッドの上に座った。



「あー気がついた! よかったー」



 病室のドアが開き、女の子がいきなり病室に入ってきて言った。

 見たところ外国人でアジア系のようだ。


 黒髪のショートカット、背は低く小柄だが顔つきは良い。
 少し幼さが残り、目が大きく綺麗なのが印象的で、見かけはどこかのアイドルの様な感じだ。



レイン「……何だお前?」



「何って、ウチはあなたに助けてもらった者だけど……覚えてない?」



レイン「……」



恋華「助けてくれてありがとう。
ウチは桜木恋華」



レイン「……レインだ」
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