アンサツシャ


レイン「……病院までお前が?」



恋華「うん、さすがに命の恩人を置いて行くわけにはいかないから」



レイン「…………」



恋華「……ん? ウチ顔何か付いてる?」



 レインが顔をじっと見ているのに気付き、恋華が不思議そうに言う。



レイン「……いや、何でもない。
世話かけたな」



 そう言い、レインは立ち上がって帰ろうとした。



恋華「ダメだってまだ寝てなきゃ! 車に跳ねられたんだよ!」



 慌てて恋華が寄ってきて、帰ろうとしてるのを止めようとした。



レイン「……」



恋華「お医者さんが、まだ検査の結果出てないから安静にさせててくださいって。
だからまだ寝てて」



レイン「……わかったよ」



 レインは渋々ベッドに横になった。



 レインは恋華を助けて車に跳ねられた。

 なぜそんな行動に出たのか不思議でしょうがないのか、顔をしかめた。
 まだ人の心がレインにも残っていたのだろうか。



恋華「ちょっとお花の水替えてくるね」



 そう言って飾ってあった花を持って、病室から恋華は出て行った。



レイン「……」
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