アンサツシャ


レイン「おいお前」



 レインは恋華に歩み寄り、話しかける。



恋華「……ん? あれっ?
レインさん?」



 突然現れたレインに驚き、キョトンとした表情で恋華が言う。



レイン「病院で俺のジェイト……いや、携帯見なかったか?」


シンシア「えー恋華の彼氏?
カッコいいじゃん、ホストみたーい」



 レインが話している途中で、隣にいた学生が恋華に話しかける。



恋華「えっ? 違うよ! 彼氏じゃないよー」



レイン「……いいからちょっと来い」



 恋華とシンシアが話していると、レインは面倒くさそうに恋華の腕を掴んで、強引に車の方へ引っ張って行った。



恋華「あ、ちょっと待ってよ!

ごめん、じゃあまた明日ね」



 恋華はレインに引っ張られながらも友達に手を振った。



シンシア「また明日ー!
楽しんできてね」



恋華「だから違うって!

もー、変なふうに思われちゃったじゃない。

携帯って……。それなら家にあるよー」



レイン「そうか、よかった、乗れ。取りに行くぞ」



恋華「え? ちょっ、ウチこれからバイトあるんだけど」



レイン「いいから乗れ!」



 レインは、恋華の腕を引っ張って無理矢理車に乗せた。



恋華「もー、痛いって!
誘拐だよこんなの」



レイン「あ? 何が誘拐だ。逆に窃盗だろ」



恋華「窃盗って……」



(…………確かに……まあそうなっちゃうのかな)



 レインは車を走らせ、恋華の家に向かった。
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