アンサツシャ


レイン「……」



恋華「……」



(うー、空気が重い……。
何かこの前会ったときと感じが違うし。

とにかく何か話さないと耐えられないよー)



 車の列に並び、少しずつしか前に進まない中、沈黙が続いた。

 恋華はこの重苦しい空気をどうにかしようと、レインに話しかける。



恋華「……あ、そう言えばこの車知ってるよ。
日産のセドリックだよね」


レイン「……へぇ、よく知ってるな。って言うかお前日本人だったな、知ってて当然か」



恋華「え? よくウチが日本人ってわかったね」



レイン「ああ……調べたからな。

……それよりお前まさかジェイトのデータ見てないだろうな?」



恋華「……え?」



レイン「テメー、まさか見たのか?」



 少し沈黙になった後、言いにくそうに恋華が言った。



恋華「……ほ、ほんのちょっとだけ……。
ごめん、連絡先とか入ってるかなって思って。

けど、何て書いてるか読めなかったから大丈夫だよ」


レイン「…………そうか」
< 33 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop