アンサツシャ
レイン「……」
恋華「……」
(うー、空気が重い……。
何かこの前会ったときと感じが違うし。
とにかく何か話さないと耐えられないよー)
車の列に並び、少しずつしか前に進まない中、沈黙が続いた。
恋華はこの重苦しい空気をどうにかしようと、レインに話しかける。
恋華「……あ、そう言えばこの車知ってるよ。
日産のセドリックだよね」
レイン「……へぇ、よく知ってるな。って言うかお前日本人だったな、知ってて当然か」
恋華「え? よくウチが日本人ってわかったね」
レイン「ああ……調べたからな。
……それよりお前まさかジェイトのデータ見てないだろうな?」
恋華「……え?」
レイン「テメー、まさか見たのか?」
少し沈黙になった後、言いにくそうに恋華が言った。
恋華「……ほ、ほんのちょっとだけ……。
ごめん、連絡先とか入ってるかなって思って。
けど、何て書いてるか読めなかったから大丈夫だよ」
レイン「…………そうか」