アンサツシャ
車の列に並ぶこと十分。
先の状態が見える位置までやってきた。
どうやら道路工事で片側通行になって進まなかったようだ。
やっとのことで車の列を抜け、普通通りに走り出す。
市街地を抜けて、道路の両側に住宅が立ち並ぶ住宅街に入った。
その道を少し進むと、住宅街の中にポツンとあるアパートが見えてくる。
二階建てで部屋はワンルームの小さなアパート。
新築なのかかなり綺麗だ。
レイン「……このアパートだよな?」
路肩に車を停めてレインが言った。
恋華「うん、家よくわかったね」
レイン「調べたからな」
(また調べたって……。
何だかストーカーみたい)
レインは車をアパートの駐車場に移動させ、空いている所に適当に停めた。
恋華「ちょっと待ってて、すぐ取ってくるから」
車を降りて恋華が言った。
レイン「俺も行く」
恋華「え? 何で? すぐ取って来るよ」
レイン「ここにお前が戻ってくる間に盗られても困るからな」
恋華「戻ってくる間って、そこからそこまでだよ?
それにただの携帯なんでしょ? 大丈夫だよ」
レイン「とにかく行くぜ。
盗られたりしたら大変な事になるから」
恋華「もー、わかったよー」
レインも車を降りて恋華の家に向かった。
恋華の家はこのアパートの二階の角部屋だ。
階段を登って行き、玄関のドアの前まで来た。
恋華は鍵を開けて玄関のドアを開けて言う。
恋華「じゃあちょっとここで待ってて、取ってくるから」
レイン「ああ」
恋華は家の中にジェイトを取りに行った。