アンサツシャ


恋華「うん、わかった。
でもビックリしたー。


……本当は撃つ気なかったんでしょ?」



 立ち上がりながら恋華が言う。



レイン「あ? 普通ならブッ殺してるぜ」



恋華「……でも撃たなかったじゃん」



レイン「見逃すのはお前が初めてだ」



恋華「そうなの?」



レイン「お前の顔見てたら殺気すらなくなっちまったよ」



恋華「……何それー。それっていい意味? それとも悪い意味?」



レイン「さあな」



恋華「何それー、何かムカつく」



 さっきの状況とは一転し、いつの間にか恋華は笑顔になっていた。

 銃を持った時のレインは凄い迫力だが、そうでない時のレインは人が変わったのかと思う程、恋華にとって話しやすかった。

 相変わらずレインは無表情な感じだが……。



恋華「……あのー、もし時間あるなら上がってく?
ずっと玄関で話してるのもアレだしさ。
ウチ今日バイトだったけど、もう今さら行けないし。
ジュースぐらいご馳走するよ」



レイン「……遠慮しとく。
俺はそんなに暇じゃねーからな。
じゃあな」



恋華「……そっかー。
じゃあまたね」



レイン「……」



 レインは玄関のドアを開け、恋華の家から帰って行った。



(……何か不思議な人よね……)



 レインが家から出ていった後、恋華は立ったまま玄関でボーッとしていた。



恋華「……って、何考えてんだウチは!
それよりバイト先に電話しなきゃ」
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