ケータイ小説 『肌』 著:マサキ

何を言われたのか、理解できなかった。

だって、マサキといて幸せじゃなかったことなんてない。

私は幸せだった。

両手で抱えても持ち切れないほど、心は満たされていた。

たまにケンカすることも、必要なコミュニケーションだと思っていたし。


なのに突然、マサキは別れを告げ、私の前から姿を消した。

どれだけ想いを伝えても、マサキは振り返ってくれなかった。

頭に浮かぶありったけの言葉で引き止め、別れを拒んでも、彼の意思は変わらなかった。


どうして?


なぜ振られたのか、全くわからなかった。

連絡が取れなくなる夏休み直前、私とマサキは、たしかに恋人同士の時間を過ごした。

何度も何度もキスをして、互いに好きだとささやきあった。


マサキと連絡を取れなかった空白の二ヶ月。

その間に、マサキは心変わりをしたということ……?

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