ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
「……マサキなら、大丈夫だよ。
ヒロも言ってた。
マサキは後輩に優しいって。
アサミも、マサキみたいな社員がいる会社になら就職したいって見とれてたんだよ。
マサキが会社で認められてるのは、仕事の成果とかも関係あるのかもしれないけど、その人間性だよ。
私の料理だって、マサキはちゃんと食べてくれた」
他の人はまずいってストレートなことを言うし、時々帰ってくる親ですら、私の料理を食べるのを全力で拒否してくる。
高校時代、私の作る食べ物はそれくらいまずかった。
「マサキも知ってるとおり、私は料理が全然ダメで、調味料の役割もよく分かってなかった。
でも、マサキは怒ったりあきれたりせずに、アドバイスをくれながら丁寧に教えてくれたよね?
包丁の持ち方や、調味料の使い方。
最近はサボってるけど、それでも、マサキと一緒に料理してたおかげで、最低限の物は作れるようになったんだよ」
「ほんとに?
じゃあ、久しぶりに、一緒に何か作ってみる?
ミオの触ったもの、食べたい」
そういえば、いろいろあって、まだ夕食を食べていない。
マサキの一声で、さっそく私達は、ウチで料理を作ることにした。
24時間営業の某スーパーに向かう。