僕は自分がどれだけ幸せかを知らない
ブーーーーーン…。
「虫ウザイッ!!」
おぉ…勢い良く目覚めたな僕。
その所為かおめめパッチリ。清々しい朝…
「さみー…」
外?
何でこんなとこで寝てるんだ?
確か今日は…何日だったっけ?
「…んぅ…」
声の方向を見ると島井さん。
「なんだ、島井か…。」
お化けかなんかかと思っちゃ…
「島井ィィィィ!?」
ビクッと反応して、島井が薄目を開ける。
「…?うるさいよ?」
「すまん。」
怒られた?
そういえば昨日は大晦日で今日は正月。
そして昨日、島井さんは酔っていた。
で…?
「おっはー」
「あ?お、おはよー。」
もしかしてまだ酔ってるの?
「もうすぐ日の出?」
「?」
…?
……??
…!!
そういえば、日の出を見にここまで来たんだった。
「時間は…良いくらいか。もうすぐだと思う。あっちの方角。」
東を指差す。
やや明るく見える。
すでに日が沈んでいるところ。なんてオチじゃないですよね?
太陽の上部が街の地平線から姿を見せる。
安堵。安心。主目的達成できそう。
「さみっ…」
島井さんが僕に身を寄せる。
アレ?体が固まった。
誰だ?誰の仕業だ?何星人がやってるんだ?
極度の緊張により、筋肉が硬直してしまった…。
肩を抱いたり出来そうなのに…。
あと腕を30cm上げるだけなのに…。
太陽が昇り、そのすべての姿を現すまで、僕はその30cmのトキメキの地獄に苦しめられていた。
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