seven kisses
そんな幸せな生活も、最初は慣れるのに精いっぱいで、私は疲れから何度か熱を出した。

初めての仕事にも、ずっと憧れていた先輩との生活にも、絶対手を抜きたくなかったから。



それでも先輩は、忙しいのに家事を一人でやってくれて、感染るかもしれないのに何度も抱きしめてくれて、できる限りそばにいて、安心させてくれた。

友達に言うと、付き合い始めのカップルじゃないんだからそんなのおかしいってバカにされるけど、先輩はいつもこんな風だから、何年付き合っても大好きな気持ちは日に日に増していくばかりで、止まることがなかった。



こうして大きなケンカも、別れの危機も訪れずに、先輩との穏やかな生活は続いていき、気が付けばまた二年の月日が流れていた。

時には「奥さん」なんて呼ばれて、嬉しくなることもチラホラ出てきた、ある日のことだった。
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