seven kisses
「言わないなら、俺、先に言っちゃおうかな。」

「何を?」

「俺ね、美希さんに会うの、初めてじゃないんだ。」

「うそ?」

「前にもっと小さい会場でイベントやった時、めっちゃ細かい所にこだわって、閉館までカントリー風の部屋みたいなブース作ってたでしょ?」

「え? そんなの見てたの?」

「ホコリまみれになって、一生懸命でさ、完成したらすっげー嬉しそうな顔して、可愛いなぁって思って見てた。」

「..........。」

「それでさ、美希さんの会社は何となく覚えてたんだ。んで、今回もリストに載ってたから、雑貨系の会社が並んでるエリアの担当を希望してみた。」

「そうだったの?」

「うん。仕事してる時の美希さん、ほんとキラキラしてる。この仕事が大好きなのが見ててわかる。だから、悔しい気持ちもわかるよ。」

「待って。わかったようなこと、簡単に言わないでよ。そんなこと、今、言われたら.......。」

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