seven kisses
意を決して、勝利で盛り上がっているベンチの方へ下りて行くと、案の定、すぐに鋭い視線を感じた。
まとわりつく視線を無視して、敬志の所へ真っ直ぐ向かうと、敬志はいきなり私の腕を引き寄せ、そのまま手を繋いで彼女の前に歩いて行った。
「あのさ、こいつ、野球のこと、あんまり知らないんだ。でも、俺の大切な彼女だから、由美ちゃん、ちょっとずつ教えてやってよ。」
「.......。」
「すぐにとは言わないけど、二人には仲良くしてほしいんだ。わかってくれるよね。長い付き合いだし、俺も由美ちゃんのこと、嫌いにはなりたくないから.....。」
「.......。」
彼女の表情は凍りついている。
ずっと様子を見ていたキャプテンらしき人が歩み寄り、立ち尽くす彼女の肩を叩いた。
目に涙を浮かべた彼女は、それに気付いていないかのように動かない。
可哀想だけど、これで良かったんだよね.....?
今までの数年間を見守ってきたキャプテンは、全部悟ったように敬志に目で合図をすると、黙ったまま、妹の肩を抱いて連れていってしまった。
まとわりつく視線を無視して、敬志の所へ真っ直ぐ向かうと、敬志はいきなり私の腕を引き寄せ、そのまま手を繋いで彼女の前に歩いて行った。
「あのさ、こいつ、野球のこと、あんまり知らないんだ。でも、俺の大切な彼女だから、由美ちゃん、ちょっとずつ教えてやってよ。」
「.......。」
「すぐにとは言わないけど、二人には仲良くしてほしいんだ。わかってくれるよね。長い付き合いだし、俺も由美ちゃんのこと、嫌いにはなりたくないから.....。」
「.......。」
彼女の表情は凍りついている。
ずっと様子を見ていたキャプテンらしき人が歩み寄り、立ち尽くす彼女の肩を叩いた。
目に涙を浮かべた彼女は、それに気付いていないかのように動かない。
可哀想だけど、これで良かったんだよね.....?
今までの数年間を見守ってきたキャプテンは、全部悟ったように敬志に目で合図をすると、黙ったまま、妹の肩を抱いて連れていってしまった。