野良猫みたいな男 ■
***






「ちょっ。大輔ーーまって!!!」

「---・・・帰る。」


「だから、誤解だって。
 私が彼と野良猫の写真を撮ったからそう言っただけで・・・

 話をーー」


「朝子。」



大輔は玄関で靴を履いて、



ズボンのポケットからガサゴソと何かを取り出して
私の目の前に突き出す。


「--コレ、返す。」


部屋のカギだった。


















パタン。と私の目の前で
ゆっくりと玄関のドアが閉まった。


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