ヤンキー少女は純情ちゃん!



「……家の前でぶっ倒れてたかも。あはは」

「“あはは”じゃねぇよ。鍵は」

「……えーと…鞄ごと学校に置いてきてしまいました」


はぁ……と智にため息をつかれ、少しムッとした。

「鞄ごと忘れるとか。……バカか…」


これには言い返せないので智の嫌味に耐えるしかない。



……んだけど。

あたしの性格上売られたケンカは買う主義なので黙っていられるはずがない。


「だってあのまま教室に帰ったら拓巳に捕まるし!拓巳に会いたくないし!」


「……んなこと知らねぇよ。鞄くらい持って帰ってこいよ」


智の言っていることは正論なのでさすがのあたしも言葉に詰まった。


「……分かってるよ」


分かってる。

あたしが持って帰ってこないのが悪いって。



< 202 / 311 >

この作品をシェア

pagetop