「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「え・・・今日?」
「はい、今日でも大丈夫ですよ」
コテージの事務の女の人が、予約表を眺めてにっこり笑った。
「ちょっと確認の電話してもいいですか?」
「どうぞ」
私は、早速拓人が教えてくれた番号に電話をかけた。
『どうした?』
ほんの少しの時間しか離れていなかったのに、
電話の拓人の声を聞いて、ものすごくホッとしている自分がいた。
「今、コテージの事務所にいるんだけど、
今日でもいいって・・・泊まるの」
『今日?花音は仕事だろ?』
「私、昼間は普通に働こうと思って。
結局泊まるだけになっちゃうけど・・・・」
電話の向こうで、拓人が笑った。
『花音がそれでいいなら、俺はいいよ』
「じゃ・・・今日泊まろう」
『わかった。家の電話教えろ』
え・・・?家?
「×××-××××だけど・・・どうして?」
『お母さんに連絡しておけ。俺もするから。
着替えとか用意してもらっとけよ。
取りに行ってから、天文台に行くから』
相変わらず真面目だな・・・
「ありがとう・・・わかった。連絡しておく」
『お父さんには、後で会うだろ。その時な・・・
じゃあ・・・後でな』
「うん」