「1/4の奇跡」左側の君に【完】






拓人はずっと頭を下げたままだった。




私は拓人の膝に手をのせた。




「幸せなんだよ・・・」




拓人は顔を上げた。




「もう、幸せなんだよ・・・私。





この先もずっと拓人のそばにいられるんでしょ?」





そう聞くと、拓人は頷いた。




「じゃ・・・私ずっと幸せだ・・・」




私は箱と左手を、拓人に差し出した。




拓人は箱を受け取ると、



指輪を取って、私の左手の薬指にそっとはめた。








私はその手を、夜空にかざした。






小さな石の輝きは、



私には星よりも何倍にも輝いて見えた。








< 293 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop