「1/4の奇跡」左側の君に【完】



和泉の顔色が、

朝見たよりも、


だいぶ良くなっているように見えた。




私は和泉のそばに行って顔を覗き込んだ。



「和泉・・・大丈夫?」



和泉はふっと笑って目をそらした。



「お前・・声でかいよ」




そう言って私の頭を、大きな掌で撫でた。






「和泉くん、葉月さんのこと・・・好きなの?」




真ん中の女子が泣きそうになりながらそう言うと、


和泉はその子を睨みつけた。





「お前らに答える気ねーけど。




はっきり言えんのは、



俺は、お前らみたいに噂を信じる奴らが、


ムカつくほどすっげー嫌いってことだ」





「ひどーい・・」



さっきまで強気で私に絡んでいた女子が、

メソメソと泣き出した。



「そこまで言うことないじゃない!


ずっと依子(よりこ)は、和泉くんのことを見てきたのに。


ずっと和泉くんのこと好きだったのに。

ひどすぎる!」




真ん中で号泣している依子のために、

両隣の女子たちが和泉を責め始めた。


「お前らが葉月に言った言葉の方がひどいだろ。


それに、ずっと見てきたって・・・


正直目障りなんだよ」




依子はさらに激しく泣き出してしまった。









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