白と黒の神話
 そう言うなり、キッと神竜を睨みつけるシュルツ。彼の表情が急に険しいものになったことに、セシリアたちはすっかり驚いていた。そんな中、シュルツの話は続いている。


「そして、あの子は覚悟を決めた。だからこそ、一人でお前たちと対決する道を選んだ」

『そうじゃ。あの時のジェリータはよく覚えておる。まるで、何もかもを破壊するような勢いじゃった』

「そう。でも、あの子は最後にためらったんだ。そのために肉体と魂を分けられてしまった。そして、神殿は聖教皇とジェリータは共に死亡したと発表した。しかし、それは真実ではない。聖教皇は死亡せず、ジェリータの肉体と魂を別々に封印した」

「そんなことができるの?」


 ポツリと呟いているセシリア。その顔には信じられないという表情がある。そんな彼女をみたシュルツは静かにこたえていた。


「普通では不可能だね。でも、この世界を創った存在が手を出した。そして、ジェリータの魂だけが転生を繰り返したんだ」
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