モラルハザード
────そしてランチの日
場所はマリッぺの仕事場の近く、六本木ヒルズの中のイタリアン。
店内の席と席の間が広いので、ベビーカーが乗り入れられ
向日葵はそのベビーカで昼寝をした。
それまで、他愛もない話をしていたマリッぺは
向日葵が寝たタイミングで話しだした。
「ね、なみりん、私、ネットを全て信じてるわけじゃないんだよ」
私はブログに書かれた文字を思い出した。
「でも、もし、それが本当の話なら、やっぱりそれは罪だと思う」
マリッぺは正しい人だ。
社長になるために、策や方法を選ばないとはいっても
決して、人の道にそれるようなことはしなかった。
恩義に厚く、人を裏切るようなことはしなかった。
正義感が強くて、道にたばこを捨てる人をとがめることもあった。
そんなマリッぺには、陽介がやっていること
そしてそれを私が容認していること、許せるはずがないのだ。