モラルハザード


「ま、そんなところかしら。杏子さん、実はね、私、来週でプリスクールを辞めるのよ」


えっ?辞める?

途中のクラスで辞めるとは聞いていたけど

でも、それは3歳クラスに代わる前と言ってたじゃない。

まだ、半年もあるのに。


「え?薫さん、それ、ホント?突然じゃない。何かあったの?」


「特になにもないのよ。ただ、他のお教室に行くだけよ。」


白々しい。それが知りたいのよ。

でも、それだけでどうして私にわざわざ電話してくるの?


「そうだったのね、わざわざありがとう、薫さん。じゃ、もうプリスクールではお会いできないわね」

ちょっと、残念そうに装った。


「そうなの、杏子さん。それでね、実は…」


ほらほら、しっぽを出してきた。

やっぱりネライがあったのね。
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