モラルハザード

『そうですね。子供たちもその方が喜びますね。

では、代々木の公園はどうですか?』


『はい、了解しました。では、10時に駅の改札で待ち合わせしましょう』

無駄のない簡潔なメールのやりとりだった。


「ママ~」

莉伊佐が昼寝から起きてきた。


「りいさ、明日、まさやくんと公園に遊びに行くよ」

「ん…まさやくん…?」

まだ、寝ぼけ眼の莉伊佐におかまいなく私は続けた。


「そう、まさやくん、莉伊佐は、まさやくんとそのうち同じ学校に行くから

今からいっぱい遊んで仲良くしとかないとね」


「うん…?うん…」


目をこすりながら、莉伊佐はうなづく。

そのしぐさがあまりにもかわいらしくて

私は莉伊佐をぎゅっと抱きしめる。


そう、必ずこの可愛い莉伊佐を聖英に入れてみせる。

それまで、二人目なんて、煩わしくて考えられない。

高畠の親が何と言おうと、莉伊佐を聖英に入れるまでは

口出しはさせないわ。

そのためにも、滝沢さんには

何としても一緒に山下先生のお茶会に行ってもらわなきゃ。

< 223 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop