モラルハザード
『そうですね。子供たちもその方が喜びますね。
では、代々木の公園はどうですか?』
『はい、了解しました。では、10時に駅の改札で待ち合わせしましょう』
無駄のない簡潔なメールのやりとりだった。
「ママ~」
莉伊佐が昼寝から起きてきた。
「りいさ、明日、まさやくんと公園に遊びに行くよ」
「ん…まさやくん…?」
まだ、寝ぼけ眼の莉伊佐におかまいなく私は続けた。
「そう、まさやくん、莉伊佐は、まさやくんとそのうち同じ学校に行くから
今からいっぱい遊んで仲良くしとかないとね」
「うん…?うん…」
目をこすりながら、莉伊佐はうなづく。
そのしぐさがあまりにもかわいらしくて
私は莉伊佐をぎゅっと抱きしめる。
そう、必ずこの可愛い莉伊佐を聖英に入れてみせる。
それまで、二人目なんて、煩わしくて考えられない。
高畠の親が何と言おうと、莉伊佐を聖英に入れるまでは
口出しはさせないわ。
そのためにも、滝沢さんには
何としても一緒に山下先生のお茶会に行ってもらわなきゃ。