モラルハザード

お天気はよくて、公園日和だった。

莉伊佐とまさやくんは手をつないで、走って行った。

持ってきたボールを滝沢さんが投げてやると、最初は滝沢さんを

入れてのボール遊びだったのが、やがて子供たち二人で遊び出した。


「やっぱり、子供は外が一番ですね」

子供たちの様子を気にしつつ、シートを敷いて座っている私の横へ滝沢さんが座り

私たちは、二人で遊ぶ子供たちの姿に目を細めた。


水筒に入れて持って来たアイスティを滝沢さんに進め、何気なく尋ねてみた。



「まさやくんは、まだ、お友達と外食したことないって

 おっしゃってたけど…」


「ええ、そうなんです。

お友達との外食は、事がわかる3歳を過ぎてからと思ってるんです。

もちろん、家族で外食する機会もありますけど、

お友達と一緒だと、また、様子が違ってくるでしょ。

うちの子、きっと、騒いで大変なことになると思うんです。

せっかくのお友達との楽しい時間、叱られてばかりも可愛そうですし

かといって、子供が騒いでいるのを注意しないワケにはいかないでしょうし…」


こうした言葉の端々に滝沢さんの子育てに対する一貫した考えが垣間見える。

子供の時間を大切に考え、大人の都合で行動しない。





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