モラルハザード
ここよ、ここが、私のいる場所。斗夢と私が住む世界なの。
急におかしくなって、なんだか笑ってしまった。
「どうしたの?斗夢ママ、なんかおかしい?」
横にいた理伊佐のママ、杏子が不思議そうに聞いた。
「ううん、何でもない、理伊佐ママ、フルーツもうひとつどう?」
私はフルーツのお皿を杏子に回した。
その時。
「ねぇ、何々ママって、呼ぶのやめない?」
奈美がきれいな笑顔でそう言った。
「え?どういうこと?」
みんながきょとんとした顔で聞いた。