モラルハザード

「そんなインチキ臭い話があるか。

今の名前を名乗れない何か怪しい事情があるに違いない」

兄は陽介のことをはなから疑っていて、結婚に猛反対した。

でも、もう、お腹には向日葵がいた私は、結婚する以外に選択肢を持たなかった。


「そんないかがわしい奴と結婚するなら、二度とうちの敷居をまたぐな」

絶縁ともとれる言葉を放たれて以来、兄とは口をきいていない。

でも、兄の勘が当たったのだ。陽介は、詐欺師だった。

お金を借りても返さず、または騙し取り、横領までする。


横浜地裁と静岡地裁からの封筒を開けると

投資詐欺のようなことをして訴えられていた。

被害者はどれほどいるのだろう…
< 292 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop