モラルハザード
「何度も電話しても全く連絡がないし、これは契約不履行だと思う。
返金してもらえるよう奈美ちゃんから森川さんに言ってくれない?」
その200万が返ってくれば自己破産だって回避出来るのだ。
でも、奈美は何も答えない。
白い肌が顔色を失いより白く思えた。
「奈美ちゃん、私、とっても困っているの」
絶対に返してほしい。
それがなくて、私たちは窮地に立たされているのだから。
「真琴ちゃん、投資って、どういうことかわかってる?」
「…え?」
「投資ってそういうものじゃないの?利益が出なかったら
お金が返ることもないかもしれないリスクが、あるものなの」
開き直るように奈美が言い放った。
「そういうことがわかってないのに、投資したの?」
ちょっとバカにしたように奈美は言う。