求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
「お願い、ですか?」
「うん、その敬語、やめてもらっていいかな?一応…友人になったし、さ。あと、名前も、俺は彩乃って呼びたい、いつまでも滝沢さんはないと思うんだけど?」
「えっと、敬語は別に無理にしていたわけではないんですが…はい…気を付けますね、お名前は…照れくさいです…ダメ、ですか?」
「気を付けますね、って。言ってるそばからだね(笑)」
「あっ…そうでした…あっ、そうだね?」
『ハハハッ!』と楽しそうに声を出して笑う顔は、少し少年のような爽やかさで、とても眩しかった。
「名前はぁ~、翔哉でも、翔、でもいいからさ。ほら、呼んでみて、あ、や、の♪」
笑顔に見惚れていると、『あやの』と初めて呼び捨てされて、ドキンと胸が高鳴った。