求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「いらっしゃい」「お邪魔します」と互いにぎこちなさのある挨拶をしてから、ダイニングにつき、先ずは食事をする。



紗彩は久しぶりの翔哉を覚えていたらしくはしゃいでスプーンを振り回すから、ご飯つぶがいろんなところに飛んでいき、そんなことが部屋の雰囲気を少しずつ穏やかにしていった。


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紗彩にビデオをみせて、二人はダイニングに向かい合う。



翔哉が話し出す。



「彩乃…まず…リリアってモデルは…」「あっ…わ、わたしにはっ翔哉のことをあれこれ言う権利は…」「権利ってなに?あるよ、彩乃にはあるんだ、ね?俺の話、嫌な内容もあるかもしれないけど、ちゃんと真実を伝えたいんだ…誤解…されたままなんて…」



互いに言葉を被せながら、言いたいことを伝えようとあがいている。



彩乃は、とにかく、翔哉の話を最後まで聞こうと、決めた。



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