求*幸福~愛しい人はママだった~【完】

「俺は…俺が好きな彩乃を追いかけてるだけで、事務所も恋愛や結婚は何にも制限つけてきてないんだし、問題ないんだ。悪いことは何にもしてないんだ、なっ?」と聞けば、「……ん、そっか…ん、なんかありがとう。」とトーンダウンした声で返事された。



俺は…守るって、なま易しいことではなくて、相当の覚悟がなくちゃ、互いの傷に耐えきれなくなるんだ…と、この時初めて痛感した。



そして、今、傍にいてあげることが出来ない自分がはがゆかった。




ネットで広がる話は尾ひれをつけてさ迷い続け、最初の形さえわからないほどに変化し、『子供をだしに可哀想な女を演じてる悪女』の彩乃と、『不倫中に生まれた望まれない子』の紗彩と…『自分の子だと騙されてるバカな男』の俺…支離滅裂な話で、ただただあきれるばかりなんだが、そのままにはできないところまでたった2日でふくれてしまった。



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