求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「はい…では、前列の左からにさせていただきましょうか、明スポ社の方、どうぞ」「はいっ!!」司会者から一番に指名されたスポーツ新聞の記者は小さくガッツポーズしながら立ち上がってマイクを受けとる。



……ドキッ…ドキッ……



自分の心臓がかなり心拍数をあげているのを感じた。



「えぇ~、われわれが聞きたいのはいろいろありますが、まずは、恋人、ではないが、外出は一緒にする程度の親密さがあるんですね?」



いちいち、言葉を『恋人』とか『親密さ』とか強調していて、視聴者にわざと誤解を刷り込んでいるようにも思える言い回しだった。



だが、翔哉たちはさすがに会見になれているようでさほど驚いた顔をせずに、「さっきもいいましたが、俺がアプローチ中、親しい友人ってとこで、買い物させてもらったのは今回、初、なんです。」と回答した。



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